家を買う時、FP相談はなぜ必要なのか?住宅知識のないFPに住宅相談をするのは要注意➡払い続けられない投資商品を買うことになるかも

2025年現在、これから家を買おうとする人は、住宅メーカーなどから「FP相談」「ライフプラン相談」を勧められたことがあるのではないでしょうか。

FP相談とは、今後一生の家計の中で、住宅ローンの適正な予算はどのくらいなのか、子供の教育費や自動車の買い替え、旅行、老後の生活などと両立ができるのか、住宅ローン金利が上がったら家計はどうなるのか、世帯主の死亡や大病など万が一のことがあったら家計はどうなるのか、など、お金の未来予想図を一緒に考えていきましょうという相談会のことです。

その相談に乗るのが、プロの金融アドバイザーである「ファイナンシャルプランナー(FP)」です。

なぜ家を買うときにFP相談を行うことが増えたのでしょうか。なぜそれが必要なのでしょうか。

この記事では、このライフプラン相談会を受けるメリットと注意点、そして相談すべきFPを見極めるコツを説明していきます。

こんなFPには注意!

昨今、広告で「FP相談」などという言葉を目にする機会が増えたと思います。プロに人生設計を相談しましょうなどというキャッチフレーズですが・・・

それらのFP相談のレベルはどれほどのものでしょうか。

実際に弊社スタッフがとある大手企業による「FP相談」を受けてみました。

住宅購入の相談だったのですが、知識は一般論レベルを出るものではなく、誰でもネットで調べられるような知識を並べるだけでした。

いや、レベルが低いのはいいのです。当社も20年前の相談会は未熟で恥ずかしいものでした。しかし問題は、その先にあるもの、です。

FPさんは実は住宅購入には興味がないらしく、次第に妙な論理を展開しはじめたのです。

はじまったのは自分が売りたい金融商品への誘導です。

FP
FP

老後資金への投資を増やすために、家はなるべく安くするべきです

FP
FP

ローコスト住宅の方がコスパがいいです

FP
FP

繰上げ返済するのは情弱です。返済よりも投資をして増やしましょう

「家の予算は安く済ませて、私が勧める金融商品を買って」という魂胆が丸見えです。

弊社スタッフがこう質問してみました。

弊社スタッフ
弊社スタッフ

ローコスト住宅といっても、メンテナンス費用がかかります。

ライフプラン表にメンテナンススケジュールが無いようですが、これでは価格が安い家ほど家計に余裕があるように見えてしまいますよね?

弊社スタッフ
弊社スタッフ

家をなるべく安くすべきと言いますが、建物性能と光熱費の関係性を教えてください。建物の寿命は何年で想定してますか?外壁材は何を使うとこのようなライフプラン表になるのですか。

弊社スタッフ
弊社スタッフ

一部繰上げ返済をして利息を節約すると確実に利息を減らす効果があるはずですが、わざわざ投資をして元本欠損リスクを背負うべきとする論理的合理性について詳しく教えてください

FPさんは口ごもってしまいました。建物に使う外壁材の種類をひとつも言えないことが分かり驚愕しました。無論、日本における滅失登記の築後年数のデータも、変動金利の125%&5年ルールも知らないようです。

知識もなくやみくもに安い家を勧め、支出が抑えられるような錯覚を与え、自分が売りたい金融商品に誘導する・・・これではFPに相談しているにも関わらず、相談者は深刻な家計破綻リスクを負うことになります。

相談会のレベルが低くても仕方ないし、金融商品の販売が収益源でもいいのです

しかしFPが相談者のリスクを安く見積もり、自分の利益を優先するのは、もはや職業倫理の問題です。金融業者として顧客本位の業務運営方針(Fiduciary Duty)に大きく反している行為です。

住宅資金という人生で最も大きな支出について、FPが自分に都合よく操作したら、相談者の人生を狂わせかねません。これでは住宅購入の不安感を金融商品の勧誘にすり替えた、悪質な煽りセールスと言われても仕方ないのです。

FPといっても、ちょっと無責任なアドバイスをする人がいるのだなという感想です。

ファイナンシャルプランナーには専門分野がある

ファイナンシャルプランナーにはそれぞれ専門分野があります。

投資、不動産投資、相続、住宅購入、節約術、副業、介護、教育費、生命保険、などなどです。

FPはお金のことなら何でも相談できそうに感じますが、実は専門が違えば相談に乗ることは不可能です。

専門分野以外には一般論以上の知識がないからです。FP資格があれば知識が豊富であるというわけではありません。

専門分野でもないのに相談を請け負うファイナンシャルプランナーがいるのは、その先の金融商品の販売だけを目当てにいるからでしょう。

FPを選ぶときに確認すべきポイント

ファイナンシャルプランナーを選ぶ際には、自分が相談したい分野を専門としているか、その分野での実績と経験はどのくらいあるのか、その相談に必要な国家資格は何を保有しているか、などを確認してから、相談を申し込むことをおすすめします。

また、料金も確認すべきポイントです。

多くのFP相談は無料ですが、無料にできる理由はFPそれぞれ異なります。その理由を明確にホームページなどで掲示しているかどうか、確認しましょう。

住宅購入時にFP相談をするべき理由

住宅購入時は特に、FP相談をするべき最大のタイミングです。

住宅は新築であれば安く見積もっても3,000万円以上します。東京都心のマンションであれば1億円を軽く超える状態。

このような人生最大の買い物を、自己流の予算決めと返済計画で済ませられるほど、昨今の物価高は生易しくありません。先行きが見通せない時代に35年以上かけて返済する住宅ローンは、プロのファイナンシャルプランナーからアドバイスをもらいながら慎重に借り入れすべきなのです。

また、住宅は買って終わりではありません。屋根外壁のメンテナンス、設備の交換、税金や火災保険、建て替えなど、維持費が高額です。メンテナンスをさぼるとあっという間に建物は朽ち果ててしまうのです。

住宅購入とその維持だけでなく、子供の教育や老後資金の準備、毎月の生活、繰り上げ返済、生命保険の見直しなど、お金のやりくりについて住宅を専門分野とするファイナンシャルプランナーに依頼しておくと安心できます。

ライフプラン相談を受けるメリットは他にも

多くのFP相談は無料ですが、一部有料の業者もいます。

独立系FP事務所によるFP相談は、決して安くはありません。

一般的には一時間あたり1万円程度の料金でしょう。

そんな高額な費用を支払っても得られるメリットは多く、決して割高ではありません。

ライフプラン相談のメリットは、一言でいうと「整理整頓」です。

たとえれば、散らかって足の踏み場もない自宅をプロに掃除してもらうことに似ています。一度プロが掃除と整理整頓をすれば、半年から1年は比較的綺麗なまま部屋を使うことができるでしょう。

掃除機の置き場所を決めた、モノを捨てるルールが決まった、フリマアプリで売るスニーカーを選んだ、など、プロの掃除を繰り返すと部屋をきれいに使う習慣が身につきます。

プロのFP相談も同じです。

毎月の家計簿はどうやってつけるか、貯金をする方法は、保険はどうやって安くするか、つみたてNISAは何をチェックしておけばいいか、車はどのようにしていつ買うか、住宅はいついくらで買うか、親に介護にどう備えるか、など。。。現時点で見える未来を予測することができます。

お金回りの整理整頓をすることで、シンプルな管理が可能になります。衝動買いは減り、計画的に大きな買い物ができるようになります。

FP相談も毎年のように繰り返せば、いずれ相談は不要になるでしょう。

家計に無駄が少なくなり、FP相談会の料金は簡単に元を取ることができます。

FP相談が無料の理由を明確にし、HPに掲示しているか

現在、多くのFP相談は無料です。

大切なのは、FPが何を収益源としているのか明確にしているかどうかです。

FPの収益源は様々あります。生命保険や損害保険、投資商品、サブスクリプションなどの自社サービス、執筆や講演、広告などが挙げられます。一部の分野ではボランティアもあります。

どのような仕組みで相談を無料にしているのかをはじめから明確にしていないFP相談では消費者は怖すぎます。

無料にできる理由を明確にし、ホームページに掲示しているか確認することをお勧めします。掲示していない業者の無料FP相談は、極力避けた方がいいかもしれません。