「生命保険は掛け捨てがいい」は本当か?掛け捨て保険のメリットとデメリットを徹底解説

生命保険 掛け捨て保険

Googleで「生命保険」と検索してみると、サジェストワードに「生命保険 掛け捨て」と出てきます。

多くの人が掛け捨ての生命保険を探しているのか、それとも掛け捨ての生命保険に不安を持っているのか、あるいは積み立て保険の勧誘を受けているのか・・・

たしかに昨今は多くの人が掛け捨て保険に加入しているはずです。ウェブサイトで申し込みするタイプの通販保険の多くは、掛け捨てです。

しかしコスパを気にするこの時代に、掛け捨て保険のままで大丈夫なのか不安に思っている人が多いのかもしれません。

この記事では、掛け捨て保険のデメリットとメリット、積み立て型の保険との違い、そして使い方を解説していきます。

※この記事では生命保険について専門用語を使わず説明しています。保険業界では使われていない表現も含まれています。分かりやすさを優先していますのでご了承ください。

掛け捨て保険とはなにか?

掛け捨て保険とは、「解約返戻金がない保険」という意味です。

毎月払っているかけ金(保険料)は文字通り「掛け捨て」になっていて、解約しても戻って来るお金はありません。たとえば医療保険であれば、入院や手術などがあれば保険金が支払われますが、途中で解約しても戻りのお金はないのです。

後述しますが、掛け捨て保険のメリットは、かけ金の安さです。

そしてデメリットは、健康で過ごせば掛け金の全てを「捨てる」ことになる点です。

掛け捨て保険は、保険として非常に分かりやすい形です。いくばくかのお金を出し合い、保険会社が管理してプールし、病気になった人に給付金を支払うという助け合いの制度です。

掛け捨て保険の反対の意味で、積み立て保険も存在します。

積み立て保険とはなにか?

積み立て保険とは、掛け捨て保険の反対で、解約すると解約返戻金を受け取れる保険のことです。

解約返戻金の額が固定しているもの、固定されていないもの、種類がありますが、解約すると毎月のかけ金の一部が戻ってくる仕組みです。

掛け金の総額に対して戻って来る解約返戻金額の率のことを、解約返戻率といいます。

解約返戻率は保険商品ごと、あるいは為替や運用成果、契約期間によってことなり、一概にどのくらい戻ってくるのかは一定ではありません。

積み立て保険のメリットは、上記の通り、解約返戻金があることです。

デメリットは、かけ金が高いことです。そしてその多くは死亡保険であり、保障の種類は限定的です。

※医療保険などで健康で保険を使わなかったらお祝い金がおりてくる、あるいは掛け金の一部が戻ってくるという保険商品がありますが、これは基本的に掛け捨て保険なので注意。

掛け捨て保険のメリットとデメリット

メリット・デメリットについて、もう一度整理します。

メリット

  • 掛け金が安い
  • 掛け金の安さに対して大きな保障を得られる
  • 保険として仕組みがシンプルで、分かりやすい

デメリット

  • 保険期間(保険が続いている期間)に終わりがあることが多い(●●歳まで、など)
  • 万が一のことがなければ払ってきた掛け金は捨てることになる

積立て保険のメリットとデメリット

積み立て保険のメリットとデメリットをまとめます。

メリット

  • 解約返戻金がある
  • 商品によるが、為替や株価などによって解約返戻率が変化し、払込保険料の累計よりも多くなることが稀にある
  • 解約返戻金を老後の生活資金としても使える
  • 商品によるが、解約返戻金から貸付を受けることが出来る(ただし利息の支払いがある)
  • 終身タイプ(一生保障が続く)が多い
  • 終身タイプの場合、解約しなければいつか死亡保険金を家族が受け取る

デメリット

  • 死亡保険がほとんどで、医療保険タイプはラインナップが少ない
  • 契約日から短期間で解約した場合、解約返戻金が全くないかごくわずかになる
  • 高額すぎる掛け金の場合、家計を圧迫し、解約する原因になる
  • 予定利率が低い保険商品の場合、多くは解約返戻金が払込保険料の累計を下回る
  • 変額保険の場合、解約返戻金は約束されていない(ゼロもあり得る)
  • 外貨建て保険の場合、解約返戻金は解約時の為替の影響を受ける

※積み立て保険はウェブ通販ではラインナップがありません。商品内容について保険募集人からの丁寧な説明と理解度の確認が必要だからです。メリットがある一方で、不利益を被るリスクも高いと覚えておきましょう。

掛け捨てと積み立て、どちらがいいのか?

積み立て型の保険だけを組み合わせて家計に起きるリスクの大半をカバーできるよう、保険設計をするのは可能ではあります。しかし掛け金は超高額になります。

超高額でも掛け捨てでないのであればいい、と考える人もいますが、平均的な会社員にとって支払い続けるのは難しいでしょう。

掛け金の問題から、掛け捨て保険も検討しなければ、自分と家族に起こりうるリスクに対処できないのが現実です。

このように考えて組み合わせると分かりやすくなります。(横にスクロール)

掛け捨て型で対処するリスク積み立て型で対処するリスク
病気の治療費、現役時代の死亡リスク老後資金、介護費用、三大疾病時の一時金

生命保険を「資産運用」と考えるのは△

現在人気のある積み立て型保険は、変額保険と外貨建て保険です。

しかし、これを資産運用と捉えるのは、間違いではありませんが少し注意が必要です。

これらはあくまでも生命保険です。あくまでも死亡保障や介護保障、三大疾病の保障を得つつ、将来解約すると解約返戻金を受け取れるとシンプルに捉える必要があります。

払込保険料の累計額に対する「返戻率」を常に意識するような資産運用商品としては、生命保険は決して有利ではありません。保険機能にも費用がかかるため、運用効率は高くはないのです。

積み立て型の保険は、「若いころに保険として備えていたものが、老後の生活資金として活用できる」とシンプルに捉えるべきでしょう。

資産運用ではなく、資産形成の手助けができるのが積み立て型の生命保険と考えてください。

まとめ

生命保険は金融商品のひとつではありますが、あくまでも「保険」です。

万が一が起きたとき、自分や家族を守ってくれるための仕組みです。

この保険に対して、仕組み上、解約返戻金が受け取れる商品があるとしても、ここに「お金が増える」ような期待を持ちすぎるべきではありません。

保険としてリスクに備えつつ、解約返戻金が老後生活の一助になる。それが積み立て保険の本来のメリットです。

資産運用をつみたてNISAや株式投資で行い、リスクへの備えは掛け捨て保険で安く済ませたいというのも一つの選択です。

掛け捨て保険、積み立て保険、資産運用・・・難しい問題はFPに無料で相談しましょう。

長岡FP事務所では生命保険と資産運用について、専門的にアドバイスしています。