不動産クラウドファンディングとは?仕組み・メリット・リスクをFPが解説!【2025年最新・初心者向け】

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その投資、リスク分散できてますか?

投資や資産運用というと、昨今は株式投資や投資信託をイメージする人が多いのではないでしょうか。ここ数年は特に米国株が好調だったこともあり、米国株への一本槍という人も多かったはずです。

しかし、本来、投資は分散が基本。株式だけではなく、債券、保険、不動産など異なるリスクの投資を組み合わせることで、安全性の高め収益をあげていくものです。

しかし・・・分散投資は理解しているものの、いざとなると難しい・・・特に不動産投資となると株式と比べてハードルの高さが違います。

不動産投資で人気があるのは、一棟アパート投資です。高額の借入を行いアパートを建てて、さらにレバレッジをかけて借り入れを行い、物件を増やしていく・・・それが稼げる投資スタイルです。

不動産投資に借金はつきもの。他人資本でレバレッジをかけて儲ける投資なのです。家賃収入は年間数千万円、しかし借金は数億円というオーナーを見ていると、ちょっとサラリーマンには怖くて手が出せません。

もっと手軽に不動産投資を始める方法はないか?

このようにお考えの方に、今注目されているのが「不動産クラウドファンディング」です。

不動産クラウドファンディングは、インターネットを通じて1万円程度の少額からプロが厳選した不動産に投資できる新しい資産運用の形です。不動産版の投資信託というイメージです。

この記事では、不動産クラウドファンディングの基礎知識から、メリット・デメリット、そしてJリートとの違いまで、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。

不動産クラウドファンディングとは?

不動産クラウドファンディングとは、「インターネットを通じて不特定多数の投資家から資金を集め、その資金を元に不動産を取得・運用し、そこで得られた家賃収入や売却益を投資家に分配する仕組み」のことです。

先述したとおり、不動産投資といえば、個人で数千万円から数億円のローンを組んで物件を購入し運用するのが一般的でした。

しかし、不動産クラウドファンディングの登場により、多くの人が「共同で」不動産のオーナーになることで、一人あたりの負担を大幅に軽減し、手軽に不動産投資を始められるようになったのです。

この仕組みは、「不動産特定共同事業法(不特法)」という法律に基づいて運営されています。これは投資家を保護するためのルールです。事業を行うためには、都道府県知事または国土交通大臣の許可が必要なため、信頼性の高い事業者によって運営されています。

不動産クラウドファンディングの仕組み

不動産クラウドファンディングは、主に「投資家」と「事業者(プラットフォーム運営会社)」の2者で成り立っています。

資金の流れは以下の通り。

ファンドの募集

事業者が、投資対象となる不動産を選定し、利回りや運用期間などを設定した「ファンド」を組成します。そして、自社が運営するプラットフォーム(Webサイト)上で投資家の募集を開始します。

投資家の出資

投資家は、事業者のサイトで会員登録を行った後、投資したいと思うファンドを選び、出資の申し込みをします。最低投資額は1万円から設定されていることが多く、誰でも気軽に参加できます。

不動産の取得と運用

事業者は、投資家から集めた資金と、場合によっては金融機関からの借入金を合わせて対象の不動産を取得します。取得後は、入居者の募集や物件の管理・メンテナンスといった運用業務をすべて行います。投資家が自ら動く必要は一切ありません。

利益の分配と元本の償還

運用によって得られた家賃収入(インカムゲイン)や、運用期間終了後の物件売却による利益(キャピタルゲイン)が、出資額に応じて投資家に分配されます。そして、運用期間が満了すると、出資した元本が投資家に返還(償還)されます。

不動産クラウドファンディングの5つのメリット

不動産クラウドファンディングには、従来の不動産投資にはない多くのメリットがあります。

1. 1万円程度の少額から始められる

最大のメリットは、その手軽さです。現物の不動産投資では数千万円単位の自己資金やローンが必要ですが、不動産クラウドファンディングなら、多くのサービスで1万円程度から投資を始めることができます。運用期間も数か月から数年と短く、投資初心者にとって非常にハードルの低い仕組みと言えるでしょう。少額で始め、失敗を含めて勉強をすることが可能です。少額で銀座の商業ビルに投資するなど、夢を感じるのも楽しいものです。

2. 比較的高い利回りが期待できる

不動産クラウドファンディングの想定利回りは、年率換算で3%~8%程度のファンドが多く、中には10%を超えるものもあります。現在の低金利時代において、銀行の普通預金金利(0.001%程度)と比較すると、非常に魅力的な利回り水準です。

3. 運用の手間がかからない

物件の選定から取得、入居者とのやり取り、建物の管理・メンテナンス、売却まで、不動産運用の手間はすべて事業者が代行してくれます。投資家は、ファンドを選んで出資した後は、基本的に分配金が入金されるのを待つだけです。本業で忙しい会社員や、不動産の専門知識がない方でも安心して取り組めます。

4. 分散投資でリスクを抑えられる

少額から投資できるため、資金を複数のファンドに分けて投資する「分散投資」が容易です。例えば、10万円の資金があれば、1万円ずつ10件の異なるファンドに投資することも可能です。居住用マンション、商業ビル、ホテル、物流施設など、異なる用途の物件や、異なる地域の物件に分散させることで、特定の物件価格の下落や空室リスクの影響を低減できます。

5. インフレ対策になる

インフレ(物価上昇)が起こると、現金の価値は相対的に目減りしてしまいます。一方、不動産のような「現物資産」は、インフレに合わせてその価値や家賃が上昇する傾向があります。そのため、資産の一部を不動産クラウドファンディングで不動産に変えておくことは、将来のインフレに対する有効な備えとなります。

不動産クラウドファンディングの4つのリスク

多くのメリットがある一方で、投資である以上、リスクも存在します。

1. 元本保証がない

不動産クラウドファンディングは預金とは異なり、元本が保証されていません。経済状況の悪化や災害などにより、不動産の価値が下落したり、想定通りの家賃収入が得られなかったりした場合、分配金が減少したり、最終的に元本が毀損(元本割れ)したりするリスクがあります。

ただし、多くの事業者では、投資家の元本を守るための「優先劣後構造」という仕組みを導入しています。

これは、投資家の出資分を「優先出資」、事業者自身の出資分を「劣後出資」とし、万が一損失が出た場合は、まず事業者の劣後出資分から損失を補填するものです。これにより、投資家の元本割れリスクが低減されています。

2. 事業者の倒産リスク

万が一、事業者が倒産してしまった場合、事業の継続が困難になり、出資金が返還されない可能性があります。この「貸し倒れリスク」を避けるためには、事業者の経営状況や実績をしっかりと確認することが不可欠です。上場企業が運営しているか、不動産特定共同事業法に基づく許認可をきちんと受けているか、過去の実績は豊富か、といった点を確認しましょう。

3. 原則として途中解約ができない

不動産クラウドファンディングのファンドは、一度出資すると、運用期間が終了するまで原則として途中解約ができません。一般的な運用期間は数ヶ月から2~3年程度です。その期間、資金は拘束されることになるため、必ず当面使う予定のない「余裕資金」で投資するようにしましょう。

4. 人気の案件はすぐに募集が埋まる

利回りが高いなど、条件の良い人気のファンドは、募集開始からわずか数分で募集金額に達してしまうことも少なくありません。これを「クリック合戦」と呼ぶこともあります。投資したくてもできない可能性があることは、デメリットの一つと言えるでしょう。

J-REIT(不動産投資信託)との違いは?

不動産に少額から投資できる商品として、不動産クラウドファンディングとよく比較されるのが「J-REIT(ジェイリート)」です。両者の主な違いは以下の通りです。

不動産クラウドファンディングJ-REIT(不動産投資信託)
上場非上場上場
価格変動日々の価格変動はない株式市場で日々価格が変動する
換金性運用期間中の解約は原則不可市場でいつでも売買可能
投資対象1つのファンドで1~複数の物件数十~数百の物件に分散投資
最低投資額1万円程度~数万円~数十万円程度

どちらが良いというわけではなく、それぞれに特徴があります。

日々の価格変動を気にせず、安定した分配金を狙いたいのであれば不動産クラウドファンディング、いつでも売却できる流動性を重視するならJ-REIT、といったようにご自身の投資スタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。

まとめ

不動産クラウドファンディングは、「少額から」「手間なく」「プロが選んだ不動産に」投資できる、非常に画期的なサービスです。これまで資金面や専門知識の壁で不動産投資を諦めていた人にとって、資産形成の新たな選択肢となるでしょう。

もちろん、元本保証のない投資であるため、リスクを正しく理解することは不可欠です。しかし、「優先劣後構造」などのリスク低減策も用意されています。

まずは余裕資金の中から、1万円といった少額で始めてみてはいかがでしょうか。

スマホで完結できるクラウドファンディングがこちら。1万円から投資できます。

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長岡FP事務所
長岡FP事務所合同会社、代表社員・FP 長岡理知。 Ethical Fiduciary Planner(倫理的フィデューシャリープランナー) 住宅専門FPとして経験は約20年。累計相談件数は5,000世帯超です。もうひとつの専門分野は生命保険。脳出血やガンなどの大病を患ったときの生活防衛や、老後資金の資産運用についてアドバイスしています。